「自己破産の手続」に関するお役立ち情報
自己破産における債権者集会とは
1 自己破産における債権者集会
⑴ 一般的なイメージと違って短い債権者集会
債権者集会というと、多くの債権者が詰めかけ、破産者を質問攻めにするといった状況を想像されるかもしれません。
しかし、現実にはほとんど債権者は出席しません。
また、債権者が出席したとしても意見を述べることはほとんどありません。
破産管財人という、破産の申立代理人とは別の弁護士が事前に提出した書面の内容の確認といった程度で終わることが多いのが実情です。
このような事情から、実際の開催時間は5分もかからない場合もあります。
⑵ 具体的に何をするのか
債権者集会は、管財事件という複雑な破産手続になる場合に開催されます。
管財事件では、破産管財人が破産者の財産を調査して換価(お金に換えること)したり、免責不許可事由の有無や裁量免責の可否についての調査を行ったります。
債権者集会は、破産管財人が業務の進捗や調査結果を報告する場であるといえます。
⑶ 名古屋地裁の運用
- ア 債権者集会の理念と現実
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債権者集会は破産手続に関して最も関心を持っている破産債権者の集まりであるという点からすると、破産手続を進めるにあたって重要な機能が果たされるべきであると考えられます。
しかし、実際には上記で説明したとおり、債権者集会に出席して意見を述べる破産債権者はほとんどいません。
また、破産債権者の最大の関心はいくら配当を受け取ることができるかどうかという点に尽きていることが多いという現実もあります。
したがって、実際の手続においては、債権者集会は破産手続において重要な役割を果たしているとは言い難い状況にあります。
- イ 名古屋地裁の運用
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もっとも、名古屋地裁では、破産債権者への情報の提供をすることや破産債権者から情報の提供を受けるという債権者集会の機能を重視すべきであるとの立場がとられています。
そのため、名古屋地裁においては破産者の財産状況を報告する債権者集会について、全ての管財事件で開催されています。
2 自己破産をされた方の債権者集会への出席
自己破産をされた方については、債権者集会への出席義務があります。
そうはいっても、破産管財人や裁判官からの質問が特になされないことも多く、自己破産をされた方が債権者集会でなすべきことは特にない場合が多いです。
3 債権者集会が行われる回数
換価すべき財産がないとき、債権者集会が開催されるのは1回のみであることがほとんどなので、自己破産をして管財事件となったとしても裁判所に行かないといけないのは1回で済むことが多いです。
しかし、破産管財人の業務が全て完了するまで、債権者集会は通常3か月に1回程度のペースで開催されるので、例えば破産者の財産の換価に時間がかかるような場合は、債権者集会が複数回開催されます。
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