自己破産で生じる連帯保証人への影響

保証人には、単純な保証人と連帯保証人の２種類があります。

連帯保証人は、主債務者（実際お金を借りた本人）と同じ支払義務を負う人です。

これに対して、単純な保証人には、催告の抗弁（民法４５２条）と検索の抗弁（民法４５３条）という権利があります。

催告の抗弁は、まず主債務者に請求するよう求めることで、検索の抗弁は、主債務者に返済する能力があり、主債務者の財産や収入の差押えが容易にできるなら、主債務者の差押えを先にするよう求めることです。

しかし、連帯保証人には、これらの権利はありません。

一般に保証人というときは、通常は連帯保証人を指します。

これは、世の中で保証人をつけるときの大半が、連帯保証人になるよう求められているからです。

自己破産をすると、自己破産した本人は、基本的に借金の支払いを免除されます。

しかし、連帯保証人も同じかというと、そうではなく、支払い義務が残ります。

自己破産によって主債務者が借金を支払わなくなると、連帯保証人は主債務者に代わって全額支払う必要があります。

連帯保証人は、主債務者が約束どおり払わないときに備えてついているのですから、自己破産で主債務者の支払い義務が免除された場合であっても、代わりに全額の支払い義務が生じます。

自己破産すれば連帯保証人に請求されるとして、連帯保証人はどのように対応すればよいでしょうか。

大きく分けると３つの方法があります。

まず、連帯保証人に全額一括で払える資力があれば、全額一括で支払えば一番すっきりします。

連帯保証人が、分割払いの話し合いをすることもできます。

法律上は一括請求ですが、今までの約束どおり返済するなら話し合いがまとまることが多いかと思います。

これを弁護士に依頼するなら、任意整理になります。

連帯保証人に分割でも全額を払う資力がない場合は、連帯保証人も自己破産や個人再生することも考えられます。

そうすると、連帯保証人も全く払わなくてよくなったり、元金が大きく減ります。

また、経営者保証ガイドラインという事業性の借入金の保証人用の話し合いのツールもあります。

これらの詳細は、弁護士までおたずねください。