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自己破産で未払賃金立替払制度の対象となる場合

  • 文責:弁護士 上田佳孝
  • 最終更新日:2024年3月27日

1 未払賃金立替払制度とは

会社が倒産した場合においては、従業員の給料や退職金が支払われないままとなっていることがよくあります。

このような場合、国が事業主に代わって未払いの給料や退職金の8割を立替払いする制度が、「未払賃金立替払制度」です。

2 未払賃金立替払制度を利用するための要件

⑴ 請求者が勤務していた企業が倒産したこと

倒産には、破産、特別清算、民事再生、会社更生といった法律上の倒産に加え、事業者が「中小企業」に該当する場合には労働基準監督署長が倒産状態にあると認定した場合(「事実上の倒産」と呼ばれます)も含まれます。

⑵ 請求者が、労働基準法上の労働者にあたること

アルバイトやパートでも、「労働者」に該当する可能性があります。

⑶ 定期賃金、退職金が未払いであること

未払いの総額が2万円に満たない場合にはこの制度の対象外となります。

⑷ 破産手続開始申立日等の6か月前の日から2年間の間に退職したこと

⑸ 退職日の6カ月前の日から立替払請求日の前日までに支払い期日が到来していること

⑹ 事業主が労働者災害補償保険の適用事業場で1年以上の事業活動を行っていたこと

⑺ 破産手続開始決定日等の翌日から2年以内に立替払いの請求が行われること

このように、未払賃金立替払制度には、期間制限がありますので注意が必要です。

参考リンク:労働者健康安全機構・未払賃金の立替払事業

3 破産管財人等による証明

破産管財人等が適切であると認めた請求書に証明印を押し、その後請求書は労働者健康安全機構に提出され、同機構が審査を行います。

審査が無事に終われば、所定の金額が労働者の方に支払われることとなります。

4 名古屋で法人の自己破産を検討されている方へ

未払賃金立替払制度は非常に複雑であり、かつ公金から支出されるという事情から、手続きに時間がかかることがあります。

その間、従業員の給料が未払いとなっている場合の事業主の方は、大変つらい立場にあることと存じます。

弁護士法人心では、法人破産の取り扱い経験のある弁護士に相談できますので、法人の自己破産を検討されている方は、当法人までご相談ください。

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