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自己破産後、家族に違法な取り立てがあった時の対処法
1 自己破産の影響
自己破産というのは、基本的に破産した個人との関係での法律問題ですので、家族に影響が生じることはありません。
また、借り入れなども、借主と貸主との間での関係ですので、他者は影響をうけません。
例外は、家族が(連帯)保証をしている場合や、借主が亡くなって相続が発生した場合などです。
保証というのは、本人が払えなくなった場合に代わりに支払いをすることを意味しますから、本人が破産をして払えなくなれば、(連帯)保証人に請求が行くのは当然のことであり、正当な権利の行使といえます。
なお、ここでいう本人を主たる債務者と呼ぶことがあります。
また、相続は、プラスの財産もマイナスの財産もすべて引き継ぐことになるので、仮に自分が負った借金ではなかったとしても、期限内に相続放棄の手続きをせずにいれば、故人名義の借金を負わなければならなくなってしまいます。
このような場合を除き、例えば「夫が破産したなら妻が代わりに借金を支払え」というようなことはありません。
これは違法な取り立てになりますので、まずはこの点を確認していただき、もし不当に家族の借金の督促を受けるようなことがあれば、借主ではないので返済を行わない旨を主張してください。
2 法的な規制
貸金業法21条1項は、「貸金業を営む者又は貸金業を営む者の貸付けの契約に基づく債権の取立てについて貸金業を営む者その他の者から委託を受けた者は、貸付けの契約に基づく債権の取立てをするに当たって、人を威迫し、又は次に掲げる言動その他の人の私生活若しくは業務の平穏を害するような言動をしてはならない。」と規定しています。
そして、同項6号は、「債務者等に対し、債務者等以外の者からの金銭の借入れその他これに類する方法により貸付けの契約に基づく債務の弁済資金を調達することを要求すること。」と規定し、同項7号は、「債務者等以外の者に対し、債務者等に代わって債務を弁済することを要求すること。」規定しています。
これらの条文を簡単に説明すると、自己破産した方本人に対して、「家族からお金を借りて返済すればいいじゃないか」だとか(6号)、家族等に対して、直接「あなたが代わりに払ってください」等と言ってはいけない、ということになります。
このような請求は、貸金業法に反する違法な取り立て、ということになります。
3 対処法
まずは金融庁への苦情の申立という方法が考えられます。
貸金業者は金融庁の監督下に置かれております。
参考リンク:金融庁・金融庁に設置されている各種窓口のご案内
上記のとおり、保証人でもない家族等への請求は違法ですので直ちに是正を求めるべきです。
それでも請求がやまない、ということであれば、法律の専門家である弁護士にご相談ください。
弁護士は、相手方に対し文書等で警告を発して、違法な取り立てをやめさせるよう活動します。
また、貸主が自宅や職場まで押しかけてきて居座る等、身の危険を感じるようでしたら、ホテル等へ一時避難をするなど身の安全を確保し、すぐに警察に相談をすることもご検討ください。
4 闇金が相手の場合の対処法
闇金から借入をする際、本人だけではなく、家族の連絡先や職場等も申告させられているケースがよくあります。
そのため、本人が返済できなくなった際に、家族に連絡が来て督促を受ける可能性が高いです。
取り立ての際に、暴力を受けたり、自宅のドア等を壊されたり(器物損壊)、本人や家族に危害を加えると脅されたり(脅迫)といった行為は、刑法に違反しますので、すぐに警察に通報することをお勧めいたします。