手続の流れ
名古屋駅から好アクセス
駅近くに事務所を設けておりますので、お越しいただきやすい環境です。詳しい所在地はこちらからご確認いただけますので、ご相談をお考えの際は参考にしてください。
自己破産をする場合の流れ
1 弁護士への相談~契約
まずは、事務所に来ていただき、弁護士と法律相談をおこないます。
借り入れの状況や財産状況について伺います。
弁護士は、お伺いした状況から、同時廃止か管財事件に該当するかの見通しを立てま
す。
また、自己破産に必要となる資料や、今後の生活における注意事項、自己破産をすることによるメリット、デメリット、費用について説明します。
ご理解いただいた上で、契約をいたします。
2 申立の準備~申立
弁護士と契約後、弁護士より債権者に、依頼を受けたことを伝える受任通知を発送します。
受任通知が債権者に届いた後は、基本的に債権者から依頼者への連絡、返済はストップします。
弁護士が窓口となるため、債権者からの書類や連絡等は弁護士に届くようになります。
申立までの間に、弁護士費用の積立を行いながら、必要な資料を集め、自己破産の申立書を作成します。
準備が整えば、裁判所へ自己破産の申し立てを行います。
名古屋地方裁判所の場合、毎月の家計簿を最低でも2か月分提出する必要がありますので、早い方で、ご依頼から2~3か月で申立を行うことができます。
費用の積立、資料の収集状況によっては、半年~1年かかることもあります。
3 申立後~開始決定
裁判所へ自己破産の申立てを行い、1~2か月程度で、裁判所から質問、追加の資料提出を求められることもあります。
裁判所から求められたことに応じなければ、自己破産が認められない可能性もありますので、可能な限りの説明や資料提出をします。
4 同時廃止の場合
開始決定後に、免責についての意見申述期間があります。
免責は借金をチャラにすることで、債権者が借金をチャラにするのはおかしい等意見を述べる期間があります。
名古屋地裁の場合、破産する方は、期間内に、免責についての陳述書を記入し提出する必要があります。
陳述書の内容や債権者からの意見も考慮しますが、一般的には裁判所が、免責決定をします。
開始決定から約2~3か月かかります。
5 管財事件の場合
開始決定後に、破産管財人の弁護士と面談をします。
財産状況、家計の状況について調査し、債権者へ分配する財産がないか確認をされ、分配する財産がある場合は、破産管財人がお金に換えます。
開始決定の約3か月後に、裁判所にて、破産する方も出席する必要がある債権者集会が行われ、一般的には免責許可決定が出ます。
6 まずはご相談を
名古屋周辺で、自己破産についてお考えの方、ぜひ弁護士法人心へご相談ください。
自己破産後の生活はどうなるのか
1 自己破産後の生活
借金の返済に苦しんでいらっしゃる方の中で、自己破産後の生活を考え、「デメリットがありそうだから」というイメージを理由に自己破産の手続きを選択しない方は少なくないように思います。
しかし、状況によっては、自己破産こそが借金問題の解決に最も適した手段になることがあります。
そのような時に、イメージだけで選択候補から外してしまうと、後悔することになってしまうかもしれません。
以下では、自己破産後の生活がどうなるのかについて簡単に解説します。
自己破産後の生活について理解を深めた上で、自己破産するかどうかを考えていただきたいと思います。
2 無一文になってしまうのか
自己破産というと、人によっては、すべての財産を没収されて身ぐるみをはがされると考えている方もいらっしゃるようです。
しかし、自己破産手続きは、借金で苦しんでいる方の生活を再建するための手続きですので、無一文で生活をさせるような無理な制度にはなっていません。
自己破産をしても、目安として99万円以下の財産については残すことができます。
3 仕事の一時的な制限
自己破産の申立をすると、一部、業務に影響が出る職業があります。
例えば、警備員や生命保険の販売員、宅地建物取引士などがそれに該当します。
影響のある資格・職業について、より詳しくはこちらをご覧ください。
これらの職業に従事されている方は注意が必要ですが、大半のサラリーマンの方は、通常、破産手続きによって仕事に影響が出ることはないといえます。
また、一つ知っておきたいのが、自己破産によって業務に影響が出る職業であっても、法律上で影響が出るのは破産手続き中のみであるということです。
そのため、業務に影響が出る方であっても、まずは弁護士に相談してご検討いただければと思います。
4 信用情報への登録
自己破産後の生活で一番影響が出るところは、信用情報機関に事故登録がなされる、いわゆるブラックリストに載るという点かもしれません。
ブラックリストに載ると、借り入れの審査は当然厳しくなりますし、ローンを組んでの買い物も通常認められません。
そのため、基本的には、自己破産後は現金支払いでの生活となるといえます。
しかし、生涯ブラックリストに載り続けるわけではありません。
一定期間が経過した後は、クレジットカードの利用を再開することも考えられます。
5 官報への掲載
自己破産した方は、官報に掲載されます。
官報とは、政府による広報や公告のための機関紙のことです。
つまり、自己破産をした際、その事実は世間に公開されるということになります。
しかし、そもそも「官報」というものをご存じない方も多くいらっしゃると思います。
一般の方の中で、あまり気にかけて見ている方がいないということは、言い換えれば自己破産をした事実はあまり他人に知られることがないということになります。
参考リンク:内閣府・官報について
6 自己破産をした場合の影響
以上のように、自己破産後の生活についてのデメリットを見ていくと、一切ない、というわけではありませんが、必ずしも大きなものではないといえるのではないでしょうか。
もちろん、無理やりにでも自己破産するべきということではありませんし、債務整理には他の方法もありますが、借金問題をどう解決するかの参考にしていただければと思います。
自己破産が解決するまでの期間
1 自己破産とは
自己破産の手続きをとり、免責決定を得ると、借金について法的に支払義務を免れることができます。
すなわち、自己破産の場合、免責決定を得るまでの期間が解決期間ということになります。
自己破産の手続きには、「同時廃止」と「管財事件」の2種類あります。
参考リンク:同時廃止事件と管財事件
申立てまでの準備期間は、いずれの手続きにおいても必要となりますが、申立て後においては、それぞれの手続きで要する期間が変わります。
以下では、解決するまでにかかる期間を、手続きの種類に分けて説明します。
2 申立てまでの準備期間
破産の申立てをするまでには、同時廃止でも管財事件でも、まず申立てに向けた準備が必要となります。
例えば、戸籍謄本や住民票、不動産登記簿などのほか、給与明細書、源泉徴収票、保険の解約返戻金証明書などが必要となります。
戸籍謄本などの市役所などで入手できる書類については、それほど時間はかかりませんが、例えば保険の解約返戻金証明書は、加入している保険会社に問い合わせて証明書の発行を受けなければなりませんし、給与明細書などについて毎月保存していない場合には数か月分が必要となりますので、収集が大変になる場合もあります。
また、管財事件になる可能性のある場合には、予納金という、裁判所に納める費用が同時廃止よりも高額になるうえ、一括で費用を納める必要がありますので、申立てまでに予納金を貯める期間も必要となります。
3 同時廃止の場合
破産の申立てをすると、裁判所は、提出された書類の審査を行い、問題がなければ破産開始決定を出します。
この申立てから開始決定が出されるまでの期間の目安は、問題がない場合で、おおよそ1週間から1か月程度です。
同時廃止手続きは、破産手続開始と同時に破産手続きが廃止されるものです。
清算すべき財産も、特別に調査する事項もないのです。
そのため、開始決定後、裁判所は、破産者について免責決定を出すか否かを検討・判断することになります。
裁判所によっては、審尋といって、裁判官との面談の場を設けるところもありますが、名古屋管内では現在審尋が行われている裁判所は少ないように思われます。
審尋がない場合、破産開始決定から免責決定まで、通常、3か月程度を要します。
4 管財事件の場合
管財事件の場合も、開始決定が出されるまでは、同時廃止と同様、1週間から1か月程度です。
管財事件の場合、管財人といって、裁判官から選任された専門家が就きます。
管財人は、資料や破産者との面談等を通じて、破産に至った経緯を調査し、換価すべき財産があった場合には、換価手続きを行うこととなります。
そして、その調査結果等の報告をする場として、債権者集会と財産状況報告集会が開かれます。
通常、債権者集会・財産状況報告集会は、3か月に1回程度開催されます。
また、配当しうるだけ財団が形成された場合には、配当手続きを必要とします。
この配当手続きは、債権者集会開催から約2か月を要します。
財産形成に時間がかかる場合には、債権者集会を何度も行うこととなりますので、場合によっては、1年以上の期間を要することもあります。
一方、財産形成ができなかった場合には、破産開始決定から4か月程度で解決する場合もあります。
そのため、管財事件の場合の期間は、財団組み入れがなされる財産があるか否かによって、大きく異なります。
5 その他
上記は、自己破産が解決するまでの一般的な期間となります。
ただ、書類の収集に時間を要すれば、その分、準備期間が長期化しますし、予納金を貯めるのに時間がかかることもあります。
早く解決したい場合には、書類の収集等を迅速に行うことも大切です。